早速ですが以下のような記事を見つけましたので記事にします。
結論から言うと”そんなに簡単ではない”です。
理想的にはそうですが、現実的には高校生の就職が更に厳しくなる可能性がありますので解説…見解を書いていきたいと思います。

今回の記事の内容
まず要点を
- 高卒就職者は大卒就職者と違い企業を就職活動で多数選べない、1人1社
- 1人1社なので学力上位もしくはスポーツ成績優秀者が優遇され、その他の人間はあまりものから企業を選ばないといけない
- 大卒と同じく高卒就職者も複数社応募できるようにするべき
このような内容です。
一見”その通りだ!”と思ってしまうかもしれませんが、大学生と高校生の状況の違いを考えないといけません。
大学生と高校生の違い
数多くありますので順を追って説明していきます。
就職活動に割ける時間が圧倒的に違う
一目瞭然ですが、就職活動に避ける時間が全く違います。
大学生は企業のエントリーこそ3年生の3月1日(4年に上がる直前)ですが、実際には大学3年生に上がった直後に自己分析や企業研究を行い自分に最適で後悔しない業種に絞る作業を行います。
高卒採用が今の方式ではなく自由に複数社応募でき面接を多数こなすとなると企業側も大学新卒者と同じ工程を踏まなければならず、時間も労力もかかることから準備に同じだけかかると想定できます。
これを高校生に当てはめてみましょう。
高校3年生に上がる直前にエントリーが始まるとなると、高校2年生に上がった直後に自己分析や企業研究を行うことになります。
かなり早いですよね…高校の授業内容を変えなければそもそも時間足りません。
高校生が将来を決めるには選択肢が多すぎる
また”高校生”です。
将来進学するのか?就職するのか?をこんな早い段階から決められるでしょうか?
そもそも大卒と高卒では選択肢に大きな違いがあります。
- 大卒は大学院に進むか就職するか
- 高卒は進学するか就職するか
一見同じ2択に見えますが
大卒から大学院へ進む方はそう多くはありません、ほとんどの方が就職します。
一方、高校卒業者は大学に進学するか?専門学校に進学するか?就職するか?です。圧倒的に選択肢が多くなるわけです。
更に
高卒からの進学希望者と就職希望者は授業の時間を考えればクラスを分けなければならなくなります。
目安で言ったら遅くても3年、理想を言えば2年生の中間。
ここまでである程度決めたとしてもその決心は揺らぎます。
進学希望者が就職希望クラスに代わる分には問題ありませんが、逆の場合は学業の遅れが大きくかなり難しくなり後戻りができない状況です。
企業側が大学新卒と同じ内定の出し方をする場合(仮定)
ここも非常に重要になります。
これまでの企業にとって高校新卒者を採用するメリットは
”確実に人数を確保できる、計算できる”
事です。
1人1社、多くても2社だったわけですから内定を出しさえすれば企業の思惑通りほとんど入社してくれ人員を確保できます。
高卒で1から育てられることもメリットではありますが、実際一番のメリットは予定通りの人員を確保できることです。
これらについて次の項目で説明します。
採用担当者が会社から評価を受ける基準(人事査定)
理解するには人事の担当者の査定(会社からの評価と採用する際の会社からの決め事)を理解しなければいけません。
色んな人事査定がありますが、今回は関係の深い部分だけを。
会社は無限に予算があるわけではありません。
決められた予算があり、決められた人数を決められた誤差の中で採用しないといけません。
これらをコントロールするのが人事です。
面接は
その人の人柄を確認する
事も重要ですが
本気で入りたいと思っているのか?内定を出したら入社してくれるのか?
を見極める場です、一番の仕事は実はここ。
- 10人確保しなければいけない
- 10人に内定を出した
- 5人しか入社してくれなかった
実際そううまくはいきません。
と言っても
- 10人欲しいけどみんなが入社してくれるわけではないので20人に内定を出した
- 15人入社希望が出た
- 5人オーバー…内定取り消し…?
これも当然ダメ。
大学新卒と高校新卒では枠が違います。
大卒〇人、高卒〇人取る!とある程度決まっています。
大学新卒者はここが難しかった、各社を天秤にかけているわけですから。
高校新卒者は今までの流れだと簡単だった、だから高卒でも雇っていた。
これが高校新卒者を採用する最大のメリットでした。
大卒と同じ選考基準になると中途採用という壁ができる
これまでもこれからも大学新卒者の選考基準はある程度の能力と人柄と性格と入社の意思です。
ですが人員オーバーにできない以上、必ずと言っていいほど予定人数をショートすることになります。
ここで登場するのが中途採用。
中途採用と新卒採用の大きな違いは採用の確実性と人員数のコントロールのしやすさです。
新卒と同じく中途採用でも多数の企業を天秤にかけます。
ただ違いは
1人1人に電話などで内定を通知しその場で返事が貰えることがほとんど
だということ。
内定を出し入社の意思が決まるまでに新卒ほど時間差がなく、その場で意思確認が出来ることがほとんど。
この場合採用担当者は”ほしい人材から電話を順番にかけていけばよい”わけです。もっと言えば新卒で上手に枠が埋まった場合は能力的にどうしても欲しい人材がいなかった場合、採用0人でも問題ないわけです。
人数調整のしやすさは抜群。
何が障害になるか?採用基準の違いと中途採用の登場
高校新卒者採用の場合、枠の調整がほとんどいらなかったわけですから能力などの人選は最小限にとどめ、欲しい人数を取ることが重要でした。
逆に大学新卒者の場合、どれだけ内定を出したところで入社してくれるのかしてくれないのか分からなかったわけです。
なので大学枠の場合は
- 成績上位者に内定を出す
- コミュニケーション能力の高く努力することが身についているスポーツ成績上位者に内定を出す
- 人柄や性格的に突出した人間に内定を出す
としてました。ここでショートした場合中途採用の登場です。
入社してくれるかわからないのですから、むやみやたらに内定を出すわけではなく”厳選し”内定を出すのが大学生枠。誰でも良いという枠ではなかったわけです。
足りなかったら中途採用で経験者や職歴優秀者を取るだけ。
問題なのは
高校新卒者がこの選考と同じになるということ。
記事のコメント欄では
「枠が決まってるから成績上位者やスポーツ成績上位者以外は望んでる企業にいけない」
とありますが、選考基準が厳しくなるわけですから結果は同じです。
それどころか今までは就職できていた成績の人までボーダーから落ちることになります。
今まで以上に厳しい上に、社会経験豊富、経験者、という強い武器を持った中途採用組と天秤にかけられるようになります。
個人的意見の総まとめ
1人1社体制は確かに悔しい部分もあるかもしれません。
ただ、大学生のようにアルバイト経験の豊富さや社会奉仕活動の有無など戦える武器が少ない分、同じ土俵に上げられるというのは高校新卒者にとってはかなり厳しくなってしまうかと思います。
今の制度は確かに不満もあると思います。
限られた高校生活の時間の中で将来的な進路変更を見据えて、新卒就職者希望者と進学希望者を分けずに教えるとなると更に時間の制約はあるでしょう。
更に希望者がなるべく就職できるように、と様々な要因が考えられたうえで出来たのが今までの1人1社制なんだと思います。
企業の思惑や採用担当者の人事査定まで考慮すると、仮に大学生のような就活にした場合今まで以上に成績上位者やスポーツ成績上位者以外は就職が困難になると思われます。
結局は以前より望まない企業しか就職先がないなんてことも。
どちらか一方ではなく企業と学生のどちらも満足いく結果を模索しくしかないと思います。
なお
このサイトのこの記事は様々な企業で務め人事も行い、今現在も様々な企業に関わる管理人の意見であり、全ての企業が当てはまるわけではありません。
急いで書いたため、記事の内容が整頓されておらず誤字脱字もあるかと思いますがご了承ください。